海を渡ったロットワイラー

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昔私が海外に留学していた頃、実家で飼っていた犬が死んでしまい両親はひどく落ち込んでいました。当時私がホームステイしていた家のそばに動物保護センターがあったのですが、人間がくると必死に自分をアピールする姿が可愛そうで、近くにいながらも足を運んだことがありませんでした。ある時、友達が「両親に犬をプレゼントしてあげたらどうか」と提案してきました。何もわざわざ海外から犬をプレゼントしなくてもと気が進まないままセンターに行くことにしたのですが、到着してすぐに犬達の声が聞こえてくると、一匹でも助けてあげたいという気持ちでいっぱいになりました。
入口近くのケージに黒っぽい子犬がウトウトしていたので声をかけてみましたが、子犬は目を開けてチラッと見るだけで頭さえ上げずに寝ていました。その姿がなんともかわいく、また何かピンとくるものがあったのでその子を引き取ることにしました。後にサーシャと名付けられたその子犬はロットワイラーでした。親犬が虐待を受けていたのでサーシャ達兄妹も親と一緒に保護されたそうです。その日はサーシャをセンターに残し、両親に確認をしてから後日引き取りに来ると伝えました。電話にでた母親は大喜びで、まだその頃日本では珍しかったロットワイラーという犬種についてたくさん調べていました。
後日センターにサーシャを引き取りに行くとスタッフの方々はみんな嬉しそうにサーシャの新しい門出を祝ってくれましたが、日本へ行くことを伝えると様子が一変しました。どうやら日本では犬を食べる習慣があると思い込んでいたらしく、私たちが食べるためにサーシャを引き取るのだと勘違いをしているようでした。世界には犬を食べる習慣のある国もありますが、日本はそうではない、犬は家族の一員のように思っているということを一生懸命伝えました。最終的に理解してもらえ、サーシャは飛行機に乗って海を渡り、はるばる日本へとやってきたのです。
両親だけでなくご近所の皆さん、家の前を通る小学生達と、サーシャはみんなに可愛がられて幸せな日々を送っていましたが、数年前に天国へと旅立ってしまいました。今でも実家の庭にはサーシャの小屋が残っていて、時々そこにサーシャがいるような気さえします。動物を飼うと、死んでしまう時にとても悲しい思いをしますが、一緒に過ごした時間は一生の大切な思い出になります。

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